採用面接はどういう準備をしたら良いのか分かりません。
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採用面接質問「大学は「少子化」にどのように立ち向かえば良いか」
大学業界は少子化で危機的な状況である
少子化の進行は著しく、1989年に125万人あった出生数が2019年には87万人へ減少しています。さらには、2040年には74万人まで落ち込む見込みとなっています。
また、大学進学率は、50%台で横ばいの状況が続いており、なかなか上がり目がない業界であることは事実です。
少子化の影響は、大学業界全体で見ると確かに影響があると言えるでしょう。
つまり、少子化について大学は非常に大きな危機感を持っており、採用選考の過程においても取り上げられる可能性が高い!ということです。対策がマストの内容と言えるでしょう。
じゃあ大学職員に転職はしない方がいいの?
答えはNOです。
それでも大学職員は圧倒的に安定した職業だと思います。
その理由は以下のリンクからぜひご確認ください!
ひとまず、このページでは「少子化で危ない」という前提のもと、面接対策の解説を行っていくことにします。
少子化が与える影響とは
少子化が続くと具体的にどのような影響があるのでしょうか?
定員確保が困難になる大学がさらに増えることが予想されます。
大学の収入源の大きな割合を占めているのは、何よりも「授業料収入」です。
安定して授業料を確保していくためには、定員割れをしないよう学生を確保する必要があります。しかし、既に4割程度の大学(学部)で定員割れが発生しており、今後の大学経営は、生き残りをかけた転換期になると言われています。
2019年には117万人だった18歳の人口も、2032年には100万人を下回り、2040年には88万人にまで減少すると予想されています。
大学は限られた学生を取り合うような形となり、より競争が学生獲得競争が激化することは間違いないでしょう。
もちろん、定員を確保できたとしても、そのために偏差値が下がってしまったり、受験生数が減少してしまっていては問題があるのですが、ここではシンプルに「学生確保」について考えることでも十分かと思います。
そのためには、学生に対してしっかりと大学の専門性や環境などの強みをしっかり印象付けることが重要です。
次の内容で見ていきましょう!
学生を獲得するためには戦略の変化が必要
大学を取り巻く環境は日々、変化しています。有名な大学でない限りは、従来のやり方では定員の学生募集も厳しくなるでしょう。
選ばれる大学になるためには、大学の価値を明確化する必要があります。価値を再定義することで、それを効果的に発信して差別化を図ることで、選ばれる理由となり生き残りに繋がるのです。
価値の再定義とは例えば以下のようなことが挙げられます。
学べる分野で差別化
他校にはない自校独自の分野を確立することが、競合との差別化に繋がります。既に他校にもたくさんある学部だけでは、有名校と比較された時に認知や信頼感・実績の差で負けてしまいます。
学べる分野を絞って専門性を高めたり、他分野を組み合わせて新しい学び方を提供したり、学べる分野をずらすことで大学の新たな価値を確立できます。
自校で学ぶメリットを提示
学生が大学選びをする際に、「自分の学びたいことが学べるのか」という点が一番重要視されます。他校に同じ学部がある場合、「自校で学ぶべき理由」が必要です。
競合と差別化するためには、その分野で有名な教授が在籍している、自校で学ぶことによって資格が取得できる、など競合他校ではなく自校で学ぶメリットを提示しましょう。
オンライン化、AI、オンデマンドなどの対応
上述でもあった通り、コロナ禍によるオンライン講義の普及や科学技術の進歩により、学びの環境は多様化しています。先行きが不透明な中、大学の教育環境も時代の変化にあわせて変化が求められているのです。
早急にオンライン講義のサポート体制を整え、機材面などで学生と講師の負担を減らす工夫は必須となります。
また、AI技術を活用した同時翻訳機能とオンライン講義を掛け合わせることで、日本にいながら海外の有名講師の講義を受けられるようにするなど、科学技術によって新たな価値提供を行うこともできます。
オフラインの価値提供
教育のオンライン化が進む中でも、オフラインによる価値提供も競合との差別化に繋がります。
オフラインによる価値提供とは、具体的には学校設備の充実を指します。実験に使用する最新機器の導入、図書館や学食といった学生が大学生活で使用する設備の整備、など他校にはない特徴づけを行うことが重要です。
海外や遠方の大学などをライバルにする場合は、物理的に通えるという点が明らかに違います。キャンパスに行けるという点にさらに強みを持たせられればアドバンテージとなります。
戦略の軸は「ブランディング戦略」がおすすめ
選ばれる大学になるための「ブランディング戦略」とは
繰り返しになりますが、日本の大学はかつてない危機に立たされています。
そのような状況にあっても人気の大学に共通しているのが「ブランド力」が高いということです。
小論文の解答を考える際には、この「ブランド力」に注目し、解答の軸を「ブランディング戦略」と置くと記述がしやすく基本を押さえた内容とすることができるでしょう。
大学のブランディングを行うメリット
大学のブランディングをするメリットは主に次の2点です。
大学の提供できる価値と学生が求めていることが合致することで、入学後の活動の質が上がったり、途中退学を防いだりといった効果も期待できそうですね。
大学のブランディングで重要な4つのポイント
①現状の大学のイメージや認知度を把握する
まず大学のブランディングを行う上うえで重要なのが、以下の2つのポイントです。
・世間から持たれている大学のイメージ
・自校がアピールポイントとしている強み
例えば大学側が「自大学の強みはこれだ」と強みとして発信しているつもりでも、受け手がその通りに受け取っているとは限りません。
大学イメージを把握するには以下のような方法が有効です。
・日経BPコンサルティングの「大学ブランド・イメージ調査」の結果を確認する
・在学校生へのアンケート調査
特に「大学ブランド・イメージ調査」の資料では、自校の強み・弱みや、ライバル大学との差異といった情報を収集できます。今の自校の状況が客観的に掴むことができるでしょう。
また、大学の強みを理解してもらうには大学名が知れ渡っていることも重要です。認知度によっても情報発信の仕方が変わります。
例えば県内で大学の認知度が浸透しているなら、県内には大学の特色や強みを具体的に伝えられるような戦略をとります。一方、県外には大学名を知ってもらうことに注力するのが良いでしょう。
②高校生のニーズを把握する
受験生が志望校や進学先を選ぶときの決め手を知ることで、的確なアプローチが可能になります。
2019年の「高校生価値意識調査」によると、予測困難なこれからの時代では「自分のやりたいことや夢を大切にし、新しいことに挑戦して将来につなげていきたい」という思いが強いことが分かりました。さらに「プロ突進タイプ」が2014年には25.2%でしたが、2019年には33.6%に上昇。将来的に特定の分野のプロとして、自分のスキルや経験を駆使して生きていきたいという意思が伺えます。
また在学生へのアンケートやインタビュー調査もおすすめです。年齢が近いので高校生が教育機関に求めているものを把握しやすくなります。
③他大学との差別化を図る
多数の大学のなかから高校生に進学先に選んでもらうには、他大学とは違う特徴が必要です。現状では、特徴がないと有名大学に人気が集中してしまいやすいからです。
ブランディングをする際は差別化に加えて、他大学とは違う付加価値を継続的に提供することも大切です。そうすることで競合が真似できない確固たるイメージを構築できるでしょう。
④自校のブランドを明確にし、目標を設定する
大学側が「学生に伝えたい自校のブランドの中身」を把握しておくことも欠かせません。
学部によってアピールポイントにズレがあるなど、学内で認識が統一されていないケースも実は多くあります。
自校が強みにしたい部分や方向性を十分に議論し、中長期的に維持できるようにしていきましょう。
ブランディングの項目の例としては次のようなものがあります。
・ブランドコンセプトが明確か
・全職員がブランドに基づく行動をしているか
・他と異なるブランド体験を提供しているか
大学の場合は知名度や入学志願者数、入学者数、偏差値などの数値で判断しがちです。しかし、この基準では小規模の私立大学は低い立場に置かれてしまいます。
規模が大きくなくても個性がある大学としてブランド価値を向上させるには、新たな指標を取り入れるなど工夫をしていく必要があるでしょう。
大学のブランドイメージを周知させることで、大学側の提供できる価値と高校生のニーズがマッチし、強みに合致した入学希望者を増やしやすくなります。さらには、広報活動もより効率的に実施できるでしょう。
採用面接の回答例「大学は「少子化」にどのように立ち向かえば良いか」
面接の質問への回答としてまとめると
Q.「大学は「少子化」にどのように立ち向かえば良いか」
少子化による18歳以下の人口減少は、大学にとっては死活問題です。学生の獲得競争が激化することは間違いなく「いかに自大学の価値を創造し受験生へ届けるか」が問われることになるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
「大学は「少子化」にどのように立ち向かえば良いか」について、イメージが湧いてきましたでしょうか。
ぜひ「学生獲得のために」をキーワードに考えてみてください。より説得力が増すことでしょう!
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