大学職員のキャリア・就職支援の業務内容は?【中途採用面接対策】

転職希望者

大学職員を志望しています。特にキャリア支援の業務に興味があります。

saco

もともと私も就職支援がしたくて大学職員になりました。

一言にキャリア支援と言っても、業務内容は多岐に渡ります。

大学職員の仕事の中でも、やはり「キャリア(就職)支援」は特に人気のある部門です。

大学職員を目指す方にとっても、実際自身が利用したことや就職ガイダンスなどを受講した経験から、比較的イメージがしやすい部門といえるのではないでしょうか。

実際、私もキャリア支援の業務に携わりたくて、大学職員を転職先の候補にしていました。

本ページでは、幅広い業務内容であるキャリア支援について解説します。
業務への理解を深めることは、採用面接でも役に立ちます。要チェックです!

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キャリアセンターの業務内容とは

学生が就職活動に取り組む際にサポートしてくれるのが、大学の「キャリアセンター」です。

皆さんが持っているイメージとしては、学生の就職を様々サポートしたり、就職ガイダンスや企業説明会などのイベント開催を企画する場所、という感じではないでしょうか。

もちろんそれも正解です。さらに、実はもっと幅広い業務を行っているため、代表的な取り組みを中心に詳しく見ていきましょう。

キャリアや就職に関する学生との個別相談

学生からの各種相談対応は、やはり欠かせない業務です。学生が自分の人生の方向性や卒業後の進路について自ら考えられるようにサポートしています。
そして、何よりも「学生のためになっている」というやりがいを感じることができる業務でもあるでしょう。

実はこの個別相談業務は、多くの大学では「キャリアコンサルタント」の国家資格保有者が対応にあたっています。
また、個別相談やグループ相談に応じるほか、一人ひとりの状況や希望を把握するために学生全員と面談をおこなうという大学もあります。

主な相談の内容は?

相談内容の例

  • 卒業後の進路選択
  • インターンシップ等のキャリア形成活動に関する内容
  • U・Iターン就職
  • 自己分析に関する内容
  • エントリーシートや履歴書の添削
  • 業界研究・企業研究の方法や志望企業の選択
  • 模擬面接を含む面接、グループディスカッション対策
  • 送付状やお礼状の書き方
  • 内定承諾書・入社誓約書の提出や内定辞退に関する内容
saco

コロナ禍を経て、現在は対面とオンラインの両方に対応するハイブリッド型で面談する大学も増えています。

学生の就職が上手くいったときには、職員もうれしいものです。

学生向けイベント(企業説明会・就職ガイダンス等)の企画・実施

学生向けの各種イベントを企画し実施することも、キャリアセンターの重要な業務です。

例えば、就職活動に必要な心構えや業界研究ができるイベントを実施したり、採用試験の対策講座(筆記試験対策、グループディスカッション対策、面接対策等)のイベントの企画・運営を行ったりします。

大学によってはこのイベントの数も非常に多く、年間100を超えるイベントを開催しているところもあったりします。つまり、この就職支援・キャリア支援のイベントは大学内でもかなり重要になってきており、イベントの実施内容や実施時期について適宜見直しを行いながら、今の就職戦線に合わせた多様なイベントを実施していく必要があります。

キャリアセンターが実施している講座・ガイダンスとして、例えばこんなものがあります。

キャリア支援の講座例

  • 自己分析の方法
  • エントリーシートの作成
  • 業界・企業研究の方法
  • グループディスカッション・面接対策
  • ビジネスマナー講座
  • 筆記試験対策
  • 資格講座

さらに、就職のためだけでなく自分の人生について考える機会として、近年では低学年向けのセミナーを開催する大学も増えています。

加えて、各イベントの集客も非常に重要です。学生に興味を持ってもらい、参加しようと思わせるための広報についても考えていく必要があるのです。

その他にも、各大学で独自に企業説明会を開催するほか、各地でおこなわれる合同説明会や個別の企業説明会の情報や、インターンシップ等の情報提供も行っています。

saco

学生が希望する企業へ入るために、様々なスキルと情報を与えることが大切ですね!

求人の整理・紹介(インターンシップ含む)

キャリアセンターでは、学生の希望進路や興味関心に合わせて、大学に寄せられたインターンシップや求人の情報を提供しています。
他にも、企業と学生がマッチングできるように独自の求人システムを導入したり、企業から求人が届いた場合の取りまとめをおこなったりもしています。

インターネットを通じて、学生は様々な情報へアクセスが容易になった一方で、自身に必要な情報の取捨選択が難しいという問題もあります。
キャリアセンターでは、そのマッチングが適切に行われるようサポートすることも非常に重要です。

面接、グループディスカッションの練習

模擬面接やグループディスカッションの練習なども実施しています。
キャリアコンサルタントや就職支援担当者が担当することもあれば、外部から講師を呼んで行う場合など、内容によって様々です。

近年ではコロナ禍を経て、WEB面接や動画選考が導入されるなど選考方法も多様化しています。キャリアセンターでは、こういった新しい選考に関しても支援をする必要があります。

saco

学生からすると、本番を想定して練習に臨めるだけでなく、実際に面接官にどのような印象を与えるかをチェックしてもらえるため、非常に有効なイベントと言えるでしょう。

裏を返すと、面接官役にもそれ相応の経験とスキルが求められるということですね。

学生の進路の把握(OB・OG情報の提供)

キャリアセンターでは、在学生へ生きた情報を届けるために、就職活動を終了したばかりの学生から「どのように就職活動を進めたか」を情報収集して、就職活動に励む在学生に向けて提供している大学もあります。

また、OB・OGに訪問を希望する学生に、OB・OG情報の提供や、学生がOB・OG訪問をする前の訪問の仕方や話の聞き方などの指導も行ったりしています。

他にも、OB・OGが関わるイベントの企画・実施なども実施しています。
例えば、これから就職活動をスタートする学生へ向けて、上級生の体験談を聞ける機会を設けたり、卒業後のOB・OGを招いて、トークイベントなどで在学生に対して仕事の内容を話してもらうなど、学生や卒業生とのつながりも、円滑に業務を進める上では欠かせません。

企業訪問による広報活動(企業の開拓)

大学の広報活動や情報交換のために企業を訪問することもあります。

多くの大学では学内での企業説明を実施しています。このような企業説明会に参加してくれる企業の質の向上と数の確保は、学生の就職を支援する非常に大切なポイントです。

企業に参加してもらうためには、自大学のアピールポイントを正確に理解し、適切に伝える必要があります。そのためには、普段から様々な情報をキャッチする意識と、ある意味営業テクニックも必要となるでしょう。

企業との関係性を築くことで、学内企業説明会への参加や学生が応募する求人の開拓につながる可能性もあり、こういった外に向けた仕事もあるのです。

保護者向けガイダンスの実施

実は、保護者向けにガイダンスをおこなうキャリアセンターも増えています。
(正直、私が学生の頃は考えたこともありませんでしたが。)

スムーズに就職活動を行っていく上では、確かに保護者の理解があった方が良いでしょう。
自大学の就職支援の取り組みや内定状況などを知ってもらい、保護者・大学がともに学生の就職をサポートしていこうと呼びかけているのです。

その他にも、保護者へ向けたニュースレターなどを発行し、情報提供を行っている大学もあります。

キャリアセンターに求められていることとは

学生の「分からない」に寄り添う

ここまで、キャリアセンターの様々な業務を紹介してきましたが、実際のところ、キャリアセンターの業務で大切なことは何でしょうか。

学生目線で考えると、やはり「就職活動に対する学生の不安」に対応してくれる存在であることが望ましいでしょう。

学生が就職活動に対して抱いている不安は様々ですが、大きく2つに分けらると考えられます。

①そもそも何をすれば良いのか分からない(就職活動へのイメージがつかない)
②選考に対する不安(応募書類の内容や面接対策)


一点目は、例えば「社会人になるのが怖い」「就職活動のイメージがつかない」「漠然としていて何をすればよいのか分からない」といった就職活動そのものに対する不安が挙げられるでしょう。

二点目は、「何をアピールすればよいか分からない」「エントリーシートや履歴書の書き方が分からない」「面接で何を話せばいいのか分からない」といった採用選考に対する不安が挙げられるでしょう。

前者のケースで特に心配なことは、分からないまま何も取り組まずに放置してしまい、やるべきことを先送りとなり機会を逃してしまうケースが考えられます。そのような学生は、ひとりで抱え込んでしまい、周りに相談ができない状況であるかもしれません。
これらへの対策としては、キャリアセンターとして、「相談するハードルが低く利用しやすい場所である」ということを周知することが考えられます。
また相談を受ける際には、「何がわからないのか」について、学生に寄り添いながらなるべく言語化し、不安を減らすための行動につながるようなが求められます。

後者のケースでは、具体的にどの点において躓いているのか(不安に感じているのか)を的確に把握することが大切です。課題を理解したうえで課題解決のために必要な情報提供をしましょう。
また、漠然とした不安を解消していくために、模擬面接などの機会を利用し、課題を明確化していく作業も必要です。よく「面接は慣れ」とも言いますが、場数を踏むことで生まれる自信が、不安を軽減されてくれることに繋がることも期待できます。

どちらのケースにおいても、学生に寄り添い、一つひとつ道を示してあげる作業が必要です。
対応するキャリアコンサルタントや就職課の職員は、その課題解決に応えられるだけの情報を入れておくことや、丁寧に対応するスキルが求められるのです。

キャリアコンサルタントの資格は必要?

転職希望者

やっぱりキャリア支援の部署で働くためには、キャリアコンサルタントの資格が必要ですか?

saco

実は皆がそうではありません。働き方による、とも言えます。

みんなが資格を保有しているわけではない

一言にキャリアセンターや就職課で働く職員と言っても、そのすべての人がキャリアコンサルタントの資格を保有している訳ではありません。

基本的に、学生からの相談対応については、有資格者のキャリアコンサルタントが担うケースが多くありますが、これらの人は外部委託の方々が対応していたりもします。
キャリアコンサルタントの働き方として、大学からの直接雇用のケースもありますが、委託会社に所属から大学へ派遣される雇用もあるということです。

例えば、次のような業務を中心に携わりたいと考えるのであれば、キャリアコンサルタントの資格を有しておいた方がよいでしょう。

  1. 就職支援カウンセリング
  2. エントリーシート・履歴書の添削
  3. 面接対策
  4. ビジネスマナー
  5. インターンシップの推進
キャリアコンサルタントとして大学職員になる方法は?【就職支援業務への転職に資格は必須?】

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専任職員はどのようにキャリア支援へ関わるか

先ほど述べたように、学生へ直接的にカウンセリングを行ったりすることは、どちらかというとキャリアコンサルタントの役割であり、ジョブローテーションがあるような専任職員の役割とは少々異なるケースも多くあります。

ざっくり言うと、キャリアコンサルタントは学生の就職支援業務に携わり、基本的に就職支援を行うフィールドのみでの活動である一方、大学職員は大学全体の業務に携わる。という違いです。

キャリア支援の業務の分かりやすいところで言うと、様々なイベントやガイダンスの企画を行ったり、各企業とのやりとりを行ったりするのが専任職員、というイメージでしょうか。

大学職員は、大学によってはジョブローテーションや転勤などもあります。また、どの部署に配属されても、大学に係る業務に携わることには変わりはありませんので、経理で入社して、次の異動で情報システム部に配属されるということもあり得ますし、逆に財務部から学生課や就職課に異動してきたという方もいるでしょう。

大学職員には必須の資格というのは特に設けられていませんが、より学生の就職支援に力を入れようと、就職支援を行う部署の職員に、キャリアコンサルタント資格取得を推奨する大学も増加傾向にあります。

大学職員の中には、就職課への異動を機にキャリアコンサルタント資格を取得した、というケースももちろんあります。(意欲的でさすがです。)

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最後に

キャリア支援の業務は、希望者も多い人気の部門です。
学生の役に立っている実感が分かりやすく、自身の社会人経験を活かして、幅広く活躍するイメージも持てるかもしれません。
キャリア支援にも幅広い業務があることを理解したうえで、面接対策などへ活用していきましょう!

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