採用面接の解答例:質問「大学が生き残っていくために必要なことは」【大学職員転職:中途採用選考対策】

転職希望者

採用面接はどういう準備をしたら良いのか分かりません。

saco

大丈夫です!質問に回答するための背景の解説や、実際の回答例をご紹介します!

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採用面接質問「大学が生き残っていくために必要なことは」

大学は非常に危機的な状況下におかれている

皆さんも、大学業界を取り巻く情勢が、非常に厳しいものであることはなんとなくご存じだと思います。

私自身、大学職員の中途採用面接時に「なぜこのような厳しい状況の大学業界を志望するのか?」と質問をされたこともあります。

大学では、この危機的な状況に対して、どのように対策をすべきかについて日々頭を悩ませており、あの手この手で対策を講じているということが前提としてあることを、まずは理解することが大切です。

大学側としても、受験者がこの厳しい現状をどれだけ理解しているのか、そしてどのように考えているのかについて面接を通じて確認をしているわけなのです。

saco

つまり、このテーマについては面接対策や小論文対策のためにしっかりと押さえておかなければならないポイント、ということですね!

まずは大学を取り巻く厳しい現状を洗い出す

saco

まずは目ぼしい課題をピックアップすることから始めましょう。

今回のテーマ「大学が生き残っていくための施策」を考える流れとしては、

①大学を取り巻く厳しい現状を洗い出す
②施策を提言するための目ぼしい課題をピックアップする
③ピックアップした課題について対応策を検討する

というようなプロセスがおすすめです。

転職希望者

とは言うものの、どんな課題があるのでしょうか。

saco

安心してください。こちらで10項目をピックアップをしてみました。

もちろん他にも様々な要因があります。

大学を取り巻く現状

  • 人口減少と少子高齢化
    多くの地域で人口が減少し、また若年層の数も減っています。これが大学への入学者数にも影響を与え、競争が激化しています。一方で、高齢化が進み、人材の確保や教職員の定年後の対応も課題です。
  • 財政難と予算削減
    多くの大学が財政的な厳しさに直面しており、政府や寄付などの収入源が限られています。結果として、教育・研究への予算削減が生じ、大学全体の品質に影響を及ぼしています。
  • グローバル競争と国際化
    大学は世界中で競争しており、国際的な評価やランキングにおいて他の大学と競り合っています。国際的な学術交流や留学生の受け入れが求められ、これに対応するための体制整備が必要です。
  • デジタル化とオンライン教育の拡大
    インターネット技術の進化により、オンライン教育が一般化しています。これにより大学は伝統的な対面授業との調和を図りつつ、柔軟かつ高品質な教育を提供する必要があります。
  • 多様性と包摂の課題
    多様性が重要視される中、大学は異なる背景や文化を持つ学生や教職員のニーズに応え、包括的な環境を提供する必要があります。差別や不平等の問題に対処し、多様性を尊重する文化を築くことが求められています。
  • 雇用市場の変化に対する適応
    産業構造の変化や技術の進化に伴い、求められるスキルや知識が変わっています。大学はこれに迅速かつ適切に対応し、学生が将来の雇用市場で競争力を維持できるようなカリキュラムを提供する必要があります。
  • 学生のメンタルヘルスの課題
    近年、学業や社会のプレッシャーにより、学生のメンタルヘルスの問題が増加しています。大学は学生の健康をサポートし、心理的なサービスを提供することが求められています。
  • 人工知能(AI)と教育技術の活用
    技術の進化により、人工知能や教育技術の利用が拡大しています。大学はこれらの新しい技術を教育に組み込む方法を模索し、効果的な学習環境を提供する必要があります。
  • グローバルなパンデミックへの対応
    世界的な健康危機やパンデミックに対処するための計画や柔軟な教育体制の整備が必要です。災害時のリモートワークやオンライン学習の適切な実施が求められます。
  • 持続可能性と環境への対応
    大学は自らの運営や研究が環境に及ぼす影響を考慮し、持続可能な実践を導入する必要があります。また、環境への配慮が求められる学問領域や取り組みを強化することも重要です。

施策を提言するための目ぼしい課題をピックアップする

面接の回答として扱う課題を選ぶポイントの一つは、多くの課題をピックアップしないことです。

やはり、あれこれと調べてみると、しっかりと理解していることをアピールしたいが故に、様々な課題を羅列したくなるものです。

しかし、面接の回答は簡潔に要点を伝えることが大切ですので、基本的には取り上げる課題は一つで十分です。

saco

やはりよく言われる点であったり、面接での回答のしやすさなどを考慮すると、「少子化による入学者数の減少による競争激化」かなと思います。

もちろん、ご自身が答えやすいと思う項目をピックアップしていただいて大丈夫です!

ピックアップした課題について対応策を検討する

最後に、その課題に対して、どのように対応すべきかについて述べましょう。

ここでのコツは、次の2点です。

①解答はオーソドックスで良い(奇抜な答えを狙う必要はない)
②可能であれば、自身の現職の経験などに紐づける

①について、試験となると、「他の受験生と差をつけなければ」と考えてしまいがちかもしれませんが、それは考えなくても良いと思います。

それよりも、まずは押さえるべきポイントをしっかりと押さえる(スタンダードな内容を理解している)ことが重要です。

面接官としても、面接の回答で大学の危機を救うような斬新なアイデアを募集したいわけではありません。そもそも、そんな簡単に解決するような問題でもありません。

つまり、受験者がアピールすべきは「基本的な内容をしっかり自分は理解している」ということなのです。

次に、「現職の経験と紐づける」という点です。

回答に説得力を持たせるコツとして、自身の経験に基づくものとすることがおすすめです。

具体的には、今回ピックアップした課題と現職で出くわした業務上の課題について、共通点を見つけ出して、当時自分が行っていた(自分でなくチーム、極論自社でもいいです。)対応策を当てはめることが考えられるでしょう。

例えば、「少子化による入学者数の減少」については、「市場規模の縮小による自社製品の売り上げ減少」という風に置き換えることもできるでしょう。その際に、現職ではどうアプローチを図ったかについて考えてみると、課題に対する施策がスラスラ出てくるかもしれません。

採用面接の回答例「大学が生き残っていくために必要なことは」

面接の質問への回答としてまとめると

Q.「大学が生き残っていくために必要なことは」

回答例

大学ごとの価値の差別化が必要であると考えます。
2040年に向けた高等教育のグランドデザインの中でも、学習者が「何を学び身に付けることができるか」を明確化することが求められています。
その中で、建学の精神や教育理念に基づく「その大学ならではの価値」を構築することで、学生が何を学び何を身につけるかを把握することができ、学生から選ばれる大学になることが必要であると考えます。

差別化について具体的な取り組みを聞かれたら、その大学の強みを伸ばす施策を挙げてみるのも良いかと。

saco

いかがでしたでしょうか。

「大学が生き残っていくために必要なことは」について、イメージが湧いてきましたでしょうか。

ぜひ「大学を取り巻く環境」を踏まえながら考えてみてください。より説得力が増すことでしょう!

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